骨粗鬆症とは

症状

骨粗鬆症とは「骨がすかすかになり(骨の量・骨の強度が低下し)、骨折しやすくなる」病気です。

 

骨粗鬆症は予防すべき疾患ですが、初期の自覚症状はありません。
次のような症状が見られたら進行しているサインです。1つでも当てはまる場合は、一度受診をお勧めします。
・最近身長が縮んだ気がする
・背中が丸くなってきた
・外出や運動する機会が少ない
・些細なことで骨折した事がある
・家族に骨粗鬆症と診断された人がいる
・細身の体型である
・閉経を迎えた(女性の方)
・お酒はよく飲むほうだ
・タバコをよく吸う
・糖尿病や消化管の手術を受けた事がある


骨粗鬆症の原因

骨粗鬆症は原発性骨粗鬆症と続発性骨粗鬆症に分けられます。
原発性骨粗鬆症は原因となる病気がなく、加齢や女性の閉経後の女性ホルモンの欠乏によって引き起こされるのが特徴です。
一方続発性骨粗鬆症はステロイド薬の投与、糖尿病といった病気や疾患が原因となっており、子どもや若い人でもかかります。加齢、女性の閉経、病気や疾患、栄養不良や運動不足などによる下記のような状態は骨粗鬆症を引き起こす原因となります。
1.カルシウムの摂取不足
カルシウムの摂取量が少ないと、血液中のカルシウム濃度を一定に保つために、骨からカルシウムが溶け出します。
2.女性ホルモンの欠乏
女性ホルモンのエストロゲンは、骨のカルシウムの減少を抑える働きをしています。閉経などにより、女性ホルモンの分泌が減少すると骨量が急速に減少します。
3.カルシウム調整機能の衰え
骨の吸収と形成はカルシウム調整ホルモンなどによってコントロールされています。このホルモンのバランスがうまく調整できなくなると骨の異常が起こりやすくなります。
4.加齢による骨量の減少
多くの人は、加齢により骨量が減少します。また、女性は男性よりも骨格が小さくもともと骨量が少ないのですが、骨量の減少により骨は一層弱くなります。


骨粗鬆症による骨折

一般的に、骨粗鬆症に伴う骨折の起りやすい部位には特徴があり、50歳から60歳では手首(橈骨)の骨折が多いとされています。年齢が上がると、腕の付け根(上腕骨近位部)や背骨(胸椎・腰椎)が増え、最終的には脚の付け根の骨折(大腿骨近位部骨折)が起こり易くなってきます。大腿骨近位部骨折をきたすとほぼ100%に近いくらい手術適応になりますので、骨折が治っても機能障害が残り、歩行能力が低下することがしばしばです。

 

骨粗鬆症の診断

当院では、問診による痛みなどの症状、診察による理学的所見、各種検査(骨密度検査、血液検査)などの検査結果から総合的に判断し、正確な診断を行っています。


◆骨密度検査:当院では骨粗鬆症治療ガイドラインで推奨されているDEXA(デキサ)法にて測定しています。
DEXA法とは二重エネルギーX線吸収測定法(dual-energy X-ray absorptiometry)の略であり、2種類のエネルギーのX線を測定部位に当てることにより骨成分を他の組織と区別して測定する方法です。測定する骨は、腰椎、大腿骨頸部等です。誤差が少なく、測定時間が短く、放射線の被爆量も少ないという利点があります。

このためDEXA法は、骨量測定の標準方法として重視され、骨粗鬆症の精密検査や、骨粗鬆症の治療効果の経過観察、また骨折の危険性予測に有用なものです。

 

◆血液検査:骨代謝マーカーの検査は現在の骨粗鬆症の治療には必要不可欠なものです。骨代謝マーカーを調べることにより、骨の新陳代謝の異常がわかります。


骨粗鬆症は骨吸収(古い骨を溶かし、壊していくこと)と骨形成(新しい骨をつくること)のバランスの崩れ方によって2つのタイプに分かれます。
健康な人は骨吸収と骨形成のバランスが良く骨の新陳代謝が行われます。
しかし、骨形成は問題なく行われているのですが、骨吸収が骨形成を大きく上回っている場合に骨量が減少します(=高回転型)。

また、骨の新陳代謝が低下して骨形成、骨吸収が共に健康な人より下回り、特に骨形成が骨吸収より低下している場合にも骨量が減少します(=低回転型)。高回転型の人は骨密度の低下速度が速いため、骨密度の値にかかわらず、骨折の危険性が高くなっています。

血液検査により骨代謝のタイプを判断し、あなたの骨の状態に最も適した薬剤を選択します。


骨粗鬆症の治療

食事・運動・薬物療法が骨粗鬆症治療の3本柱です。
①食事療法
骨を丈夫につくりあげるもととなる栄養素は非常に多いため、バランスのよい食事を心がけることが骨粗鬆症を防ぐ基本となります。
骨量を上げる主な栄養成分は、カルシウム・ビタミン・ビタミンKなどです。特に骨の主成分となるカルシウムは1日700~800mgを目標として積極的に摂取するよう心がけましょう。目安として、牛乳1本と半丁の豆腐を毎日摂取するイメージです。また、次のような食品を意識的に摂りましょう。


【カルシウムを豊富に含んでいる食材】
牛乳・乳製品・小魚・干しエビ・小松菜・チンゲン菜・大根、・大豆製品など
腸でのカルシウム吸収を助けるビタミンDや、骨の形成をうながすビタミンKも大切な栄養素です。


【ビタミンDを豊富に含んでいる食材】
鮭・ウナギ・サンマ・メカジキ・イサキ・カレイ・シイタケ・キクラゲなど


【ビタミンKを豊富に含んでいる食材】
納豆・ホウレン草・小松菜・ニラ・ブロッコリー・サニーレタス・キャベツなど
カルシウムの吸収を妨げる「リン」「食塩」に注意
リンや食塩に含まれているナトリウムなども体には必要な栄養素ですが、過剰に摂取するとカルシウムの吸収を妨げてしまうため控えるようにしましょう。


【リンを多く含む食品】
インスタント食品・スナック菓子・炭酸飲料など


【食塩を豊富に含んでいる食材】
漬物・加工食品・干し魚など
このほか、カフェインやアルコールなどの嗜好品にもカルシウムの吸収を妨げる作用があります。適量を心がけ、摂りすぎには十分な注意が必要です。


②運動療法
骨は、運動をして負荷をかけることで増え、丈夫になります。さらに、筋肉を鍛えることで体をしっかり支えられるようになったり、バランス感覚が良くなったりし、ふらつきが無くなって転倒防止にもつながるため、運動療法は骨粗鬆症の治療に不可決です。
激しい運動をする必要はなく、散歩などは週に数回でも十分ですので、とにかく長く続けましょう。


③薬物療法
薬による治療は検査結果をもとに、病気や身体状況を考慮して選択していきます。骨粗鬆症治療薬の分類としては、「骨吸収抑制薬」と「骨形成促進薬」に分けられ、その他に骨密度を上げるために補助的に併用するものもあります。薬の効果には個人差があり、副作用がでることもありますので、外来で定期的な検査(当院では半年に1回)を行いながら続けていくことが必要です。
【骨吸収抑制薬】
・ビスホスホネート製剤(ボナロンゼリー、アクトネル)
・SERM製剤(ビビアント)
・カルシトニン製剤(エルシトニン注)
【骨形成促進薬】
・PTH製剤(副甲状腺ホルモン)製剤
(フォルテオ、テリボン)
【補助的な薬】
・活性型ビタミンD3製剤(エディロール)

 

介護が必要となった主な原因(要介護者)

日常的に介護の必要なく心と身体ともに健康で自由に暮らせる期間を健康寿命といいます。
平均寿命から寝たきり、認知症などの介護状態の期間を除いて計算します。国の健康寿命の発表によると、男性71.19歳(平均寿命80.21歳)、女性74.21歳(平均寿命86.61歳)で世界でトップクラスですが、健康寿命と平均寿命の差が大きいです。そして、その原因のひとつが骨粗鬆症なのです。

骨粗鬆症によって骨が弱くなると、ささいな転倒でも骨折していまい、治療が長引きすると体力などが衰え、そのまま寝たきりになってしまい介護が必要になるおそれがあります。さらに寝たきりになってしまうと認知症も誘発しやすくなります。つまり骨粗鬆症がこわいのは、転倒・骨折がきっかけとなって要介護状態や寝たきりとなり、「健康寿命」を短くしてしまうことにあります。

健康寿命を延ばすには骨粗鬆症に注意して気になることがあったら早く受診することが大切です。

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